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2024年に住宅ローン控除を受けられる条件は?

住宅ローン控除を受けられる人・受けられない人

個人が住宅ローンなどを利用して、マイホームの新築・取得または増改築などをし、自己の居住の用に供したときは、一定要件下で住宅ローンの年末残高を基準として所得税を控除することができます。

通称「住宅ローン控除(減税)」、正式名称は「住宅借入金等特別控除」といいます。

新築の場合における、住宅ローン控除が受けられる要件を確認してみましょう。

2024年版住宅ローン控除の要件(新築の場合)

  • 住宅取得後6カ月以内に居住していること
  • 控除を受ける年分の年末まで引き続き居住の用に供していること
  • 新築した住宅の床面積が50(特例は40)平方メートル以上かつ居住用に2分の1以上を供していること
  • 控除を受ける年分の合計所得金額が2,000(床面積の特例を受ける場合は1,000)万円以下であること
  • 10年以上のローンであり、民間の金融機関や住宅金融支援機構などの住宅ローンであること
  • 居住年とその前2年および居住後3年の合計6年間において居住用財産の譲渡特例などを受けていないこと
  • 住宅の取得(土地などの取得を含む)は、生計を一にする親族や特別な関係のある者からの取得でないこと

さらに、2024年に住宅ローン控除を受けられる住宅は、原則として「認定長期優良住宅」「認定低炭素住宅」「ZEH水準省エネ住宅」「省エネ基準適合住宅」に限られます。

住宅ローン控除の控除額は、住宅ローンの年末残高×控除率です。2024年入居の場合、控除率は一律0.7%です。

控除額は、まず所得税から控除され、所得税から控除しきれなかった額が住民税から控除(所得税の課税総所得金額等の5%(上限9.75万円))されますが、納めている額以上の控除を受けることはできません。

また、借入限度額や控除を受けることができる期間などにも上限があり、上限は数年おきに繰り返し改正されてきています。

2024年入居の住宅ローン控除借入限度額、控除期間などを一覧で見ると以下の通りです。

2024年入居の住宅ローン控除 控除率・借入限度額・控除期間

2024年入居

  借入限度額 控除期間 控除率
認定住宅 4,500万円 13年間 0.7%
ZEH水準省エネ住宅 3,500万円
省エネ適合住宅 3,000万円
その他の住宅(省エネに適合しない住宅) 0円

2024年以降に新築の建築確認を受けた「その他の住宅」は、住宅ローン控除の対象外です。2023年末までに新築の建築確認を受けた、または2024年6月30日以前に建築された「その他の住宅」へ2024~2025年に入居する場合は、借入限度額2,000万円・控除期間10年間です。

子育て世帯・若い夫婦世帯への優遇

急激な住宅価格の上昇などを踏まえ、子育て世帯および若い夫婦世帯における借入限度額については、子育て支援の観点から借入限度額が優遇されています。

子育て世帯・若い夫婦世帯とは、

  • 18歳以下の扶養親族がいる人
  • 自身もしくは配偶者のいずれかが39歳以下の人

のいずれかです。

2024年入居の子育て世帯・若い夫婦世帯

新築・再販住宅 借入限度額 控除期間 控除率
認定住宅 5,000万円 13年間 0.7%
ZEH水準省エネ住宅 4,500万円
省エネ適合住宅 4,000万円
その他の住宅(省エネに適合しない住宅) 0円

2024年以降に新築の建築確認を受けた「その他の住宅」は、住宅ローン控除の対象外です。2023年末までに新築の建築確認を受けた、または2024年6月30日以前に建築された「その他の住宅」へ2024~2025年に入居する場合は、借入限度額2,000万円・控除期間10年間です。

「住んでいるか」が重要

要件の通り、住宅ローン控除は住んでいなければ受けられません。ただし、住宅ローンを組んでいる人が転勤で居住を移す場合には、家族が引き続き住んでいれば住宅ローン控除は継続して受けられます。

継続して住む人がいなくなった場合、「住宅ローン控除も受けられないし、賃貸にして利益を得たい」と考える人もいるかもしれませんが、金融機関の住宅ローンは特別金利などの優遇がなされている関係で、賃貸にした場合は規約違反となり、一括返済を求められることが一般的です。

その場合、返済資金がなければ住宅ローンよりも金利の高い不動産投資ローンなどへ借り換えることになります。

悪質な不動産投資会社などが、顧客に対して「居住用と言えばローンが通る」などの話をもちかけていたケースも報道されていますが、「知らなかった」では済まされません。

なお、転勤で空き家になったなど、一時的に住宅ローン控除が受けられなくなった場合でも、再度の転勤などにより元の家に再入居した際は、住宅ローン控除の対象期間内ならば再び控除を受けることができます。

ただし、住宅ローン控除の期間が延長されるわけではないのでご注意ください。


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