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令和4年度(2022年度)税制改正大綱 法人課税編

2021年12⽉に閣議決定された税制改正⼤綱について全4回で解説していきます。
第3回の今回は、法人税の主な改正点を解説します。

改正1:賃上げ(促進)税制の見直し

この制度は、2013年の導入以来、見直しを重ね継続されてきましたが、その実効性に疑問の声が上がっていました。
今回の改正は過去最大の減税となっており、中小企業では税額控除率が現行の最大25%から最大40%に増えます。

(適用対象)青色申告書を提出する法人

(適用期間)2022年4月1日~2024年3月31日に開始する事業年度

1.大企業向け(全企業対象)

旧制度では「新規雇用者の給与総額が増加した場合」が優遇対象でしたが、新制度では「継続雇用者の給与総額が増加した場合」が対象となり、その増加額の最大30%の税額控除が適用できます。

継続雇用者の給与総額3%以上増加

継続雇用者の給与総額4%以上増加

教育訓練費が20%以上増加

15%控除

25%控除

控除率+5%

一方、資本金10億円以上かつ従業員数1,000人以上の企業の賃上げ率が低い場合には、研究開発税制などの税額控除の適用が制限されます。

2.中小企業向け(資本金1億円以下)

中小企業の場合には、雇用者全体の増加率に応じ、最大40%の税額控除が適用できます。

雇用者全体の給与総額が1.5%以上増加

雇用者全体の給与総額が2.5%以上増加

教育訓練費が10%以上増加

15%控除

30%控除

控除率+10%

改正2:オープンイノベーション促進税制の拡充

スタートアップ企業に出資すると、株式の取得価額の25%が所得控除されるオープンイノベーション促進税制。
出資の対象会社には「設立10年未満」という要件がありましたが、「売上高に占める研究開発費の割合が10%以上の赤字会社なら設立15年未満」が要件に追加されました。
取得株式の保有期間も「5年以上」から「3年以上」に短縮されました。

改正3:5G導入促進税制の見直し

都市部では普及が進む一方、地方でのネットワーク整備が遅れていることから、期間が3年間延長されます。また、対象設備の要件の見直しや税額控除率の段階的な引き下げが実施されます。

改正4:大法人に対する法人事業税所得割の軽減税率の見直し

外形標準課税対象法人(資本金1億円超)の年800万円以下の所得に係る軽減税率を廃止し、標準税率を1.0%とします。


次回ナレッジコラムでは、税制改正大綱の消費課税編を掲載予定です。

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