令和4年度(2022年度)税制改正大綱 個人所得課税編
個人課税では「住宅ローン控除」が大きく見直しに
2021年12月に閣議決定された税制大綱では、個人所得課税の「延長・拡充」「縮減」項目数はそれぞれ以下の通りです(国税のみ)。
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延長・拡充 |
縮減 |
住宅・土地 金融・証券 |
13項目 5項目 |
2項目 3項目 |
改正1:住宅ローン控除の見直し
適用期限を4年延長し、控除率・控除期間・借入限度額が見直されました。
① 控除率・控除期間の見直し
この制度は、年末ローン残高の1%を所得税額から控除するものです。近年、住宅ローンが1%を下回る低利率のため、金利負担より住宅ローン控除額の方が大きい「逆ざや」状態になっていると会計検査院から問題を指摘されて改正となりました。
改正後には控除率は0.7%となる一方、控除期間10年が13年に延ばされます(2025年12月31日まで)。
② 借入限度額の見直し
また、脱炭素社会の実現や省エネルギー住宅の普及に向けて、年末残高の限度額を環境性能で4分類することとなりました。
新築時 |
改正前 |
2022年・2023年 |
2024年・2025年 |
長期優良住宅 |
5,000万 |
5,000万 |
4,500万 |
ゼロ・エネルギー・ハウス |
4,000万 |
4,500万 |
3,500万 |
省エネ基準適合住宅 |
4,000万 |
4,000万 |
3,000万 |
その他 |
4,000万 |
3,000万 |
2,000万 |
なお、改正により確定申告や年末調整で必要だった年末残高証明書の添付が、2023年分以降不要になります。
改正2:配当課税「大口株主」の見直し
同族会社と合わせ持株比率3%以上となる株主についても「大口株主」とされ、上場株式配当であっても、総合課税となります。
改正3:源泉徴収の見直し
完全子法人株式等(持株比率100%)・関連法人株式等(持株比率1/3超)からの配当については、所得税を課さず、源泉徴収は行わないこととされました。
その他の改正項目
- 所有者不明土地法に基づく土地収用法の特例対象拡大に伴う税軽減措置
- 住民税非課税世帯への臨時特別給付金の非課税
などがあります。
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